石橋西団地
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1958-2021
石橋西団地は、2021年春、近接する石橋団地および神田町団地との集約を経て、「OPH石橋テラス」として新たに生まれ変わりました。1958年の建設当時の住まいに関する資料や入居者の方々へのインタビューも交え、当時の暮らしの記憶を振り返ります。また、OPH石橋テラスの敷地内に併設された池田市子育て支援拠点「てしまの森」関係者の方々にもお話をうかがいました。
石橋西団地について
1958年、池田市に石橋西団地が建設されました。戦後から高度経済成長期にかけて住宅不足が続くなか、池田市の人口は1955年の約5万人から1960年の約6万人へと約2割増加し、住まいの需要が急速に高まっていたことがうかがえます。石橋周辺は大阪・梅田方面へ通勤しやすく、学校も近いなど、働く世帯が生活しやすい環境でした。こうした状況を背景に、石橋西団地は4棟・96戸の集合住宅として、周辺でも石橋団地(1956年:2棟・48戸)、神田町団地(1959年:2棟・40戸)と、近い時期に公社賃貸住宅の建設が続きました。
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石橋西団地上空写真 -
石橋西団地(1983年頃) -
石橋団地上空写真 -
神田町団地上空写真 -
石橋西団地・石橋団地・神田町団地の位置関係
出典・参考:池田市公式サイト「人口の推移」
建物概要
| 建物概要 | |
|---|---|
| 建設年度 | 昭和32(1957)年 |
| 所在地 | 池田市豊島北1丁目4番 |
| 敷地面積 | 5370.73㎡ |
| 管理戸数 | 中層・4棟 合計96戸 |
| 構造 | RC 壁式構造 |
| 住居タイプ | 2K |
| 付属施設 | 集会所・自転車置場 |
建設当時の図面
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石橋西団地平面図(Aタイプ) -
石橋西団地平面図(Bタイプ)
History Contents
当時の石橋西団地の暮らし
新しい住まいのかたちと、
住環境の向上
当時の団地に求められていたのは、まとまった規模の住まいを供給するだけでなく、衛生面や防災面も含めた一定の住環境を整えることでした。石橋西団地も、鉄筋コンクリート造の建物に上下水道や都市ガスを備え、浴室・洗面・トイレなどの水まわりに加え、キッチンにはコンロ台やガスコックを備えるなど、安心と利便性を兼ね備えた住まいを実現していました。1983(昭和58)年の公社団地台帳には、緑の生い茂る中庭の写真が残っており、この自然豊かな環境で、入居者同士が日々顔を合わせながら暮らした様子がうかがえます。
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外観(2012年頃) -
緑の豊かな中庭(1983年頃) -
障子付き窓(石橋西団地と同型・石橋団地の室内写真)(1983年頃) -
コンロ台(石橋西団地と同型・石橋団地の室内写真)(1983年頃)
石橋のまちと周辺地域
街道と鉄道がつないだ、
にぎわいと暮らしの拠点
石橋を含む池田市域は、江戸時代から大坂と北摂の能勢地域を結ぶ道として利用された能勢街道が通り、人々の往来とともに栄えてきた地域です。1910(明治43)年に箕面有馬電気軌道(現在の阪急電鉄)が開通すると、大阪方面への移動が便利になり、石橋周辺は郊外の暮らしの拠点として発展していきました。阪急電鉄「石橋」駅(現在の「石橋阪大前」駅)の西口には、かつての能勢街道の道筋にもつながる大きな商店街が広がり、日々の買い物や飲食に加えて、さまざまなイベントが開かれるなど、地域の交流を育んできました。
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大正末頃の能勢街道(建石町から本町を望む) -
いしばし商店街 -
石橋まつり大盆踊り大会 -
大阪大学の学生による商店街での文化祭「おはこ文化祭」
出典・参考:池田市公式サイト「能勢街道-物資の運搬と参詣の道-」、「池田市歴史文化基本構想【改訂版】」、
いしばし商業活性化協議会ご提供写真
石橋西団地の温かな日常
楽しい行事の数々と、
ご近所さんの温かさ
子育て世帯が多く入居していた石橋西団地では、団地内や地域に同世代の子どもが多く、友達の輪が広がりやすい環境でした。自治会やカークラブが主催する日帰りバスツアー、ソフトボール大会、花見などの行事も行われ、暮らしの中に自然と交流の機会が生まれていきました。また、階段の踊り場ですれ違ったり、洗濯物を屋上へ干しに行く際に顔を合わせたりと、日常の中でも挨拶や声かけが交わされていました。ご近所同士が“顔見知り”であることが、日々の暮らしに安心感をもたらしていました。
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敷地内のブランコで遊ぶ子供たち -
管理人事務室 -
入居者同士が日々顔を合わせた屋上の物干しスペース(1980年) -
毎年春になると、中庭には満開の桜が咲き誇った(1985年)
出典:「1959年発刊事業要覧(財団法人大阪府住宅協会)」、元入居者ご提供写真
石橋西団地の新しい未来へ
3団地の集約と建替、
地域と連携した住まいづくりへ
築年数の経過により、石橋西団地では設備の老朽化をはじめ、時代に合った住環境としての課題が大きくなっていきました。そこで公社は建替を進めるにあたり、近接する石橋団地と、建物の耐震基準を満たしていなかった神田町団地も含めた集約を視野に、プロジェクトを進めます。『OPH石橋テラス』は、公社が建替事業を再開してからの新築第1弾であり、およそ8年ぶりの新築物件として計画されました。建替を通じて、SDGsの目標「住み続けられるまちづくり」や「パートナーシップ」にもつながる取り組みとして、地域と連携した計画が進められていきます。
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建替前の石橋西団地 -
建替前の石橋団地 -
建替前の神田町団地 -
建替工事の様子 -
建替工事の様子
OPH石橋テラスの誕生
時代に即した住環境と、
地域子育て支援拠点の併設
建替により、石橋西団地は2021年3月、総戸数56戸の『OPH石橋テラス』として生まれ変わりました。子育て世帯から高齢者世帯まで、幅広い世代が安心して暮らし続けられる住まいを目指し、日々の使いやすさに配慮した住戸設備を整えています。さらに、感震ブレーカーの導入やオートロック、モニター付きインターフォンなど、防災・防犯面の備えも強化し、現代の暮らしにふさわしい安心を備えた住環境へと刷新されました。
また敷地内には、池田市との連携により地域子育て支援拠点「てしまの森」が併設されました。これらの取り組みが評価され、子育てに優しい住まいと環境を兼ね備えた “子育て支援住宅”としてミキハウス子育て総研株式会社から認定を受けました。親子が気軽に訪れて遊んだり、交流したり、子育ての相談をしたりできる場として、イベント等も開催されています。子育ての悩みや不安を抱えたときに、ふと頼れる場所があることは、大きな安心感につながります。OPH石橋テラスは、かつて団地で育まれてきた交流の温かさを受け継ぎ、地域で見守る暮らしのあり方を提案しています。
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OPH石橋テラスと敷地内に併設する「てしまの森」 -
OPH石橋テラスのエントランス -
「子育て支援住宅認定」ロゴ -
池田市子育て支援拠点「てしまの森」 -
「てしまの森」の内観
インタビュー
入居者の方々からは、石橋西団地での暮らしや当時の交流について、
「てしまの森」の関係者の方々からは、施設の取り組みや子育て世帯への想いについて、お話をうかがいました。