1991年〜1995年の
主要プロジェクト
1991年〜1995年の
大阪府住宅供給公社の歩みとして、
住まいに関する主要プロジェクトや
取り組みをご紹介します。
1991年枚方津田団地の開発開始
枚方市の東部に位置する「枚方津田団地」は、関西文化学術研究都市の一角として計画されました。丘陵地を活かし、約650戸の多様な住宅が配置され、居住者のライフスタイルに応える計画が進められました。地域の景観やコミュニティ形成を重視し、「うるおい」「つどい」「ゆとり」をテーマにしたゾーン分けが行われました。バブル崩壊の影響により計画の一部は変更され、予定されていた文化施設の一部は別用途に転用されましたが、公社が自ら施行者となって土地造成からまちづくりを進めた最後の大規模プロジェクトとして位置づけられています。
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枚方津田団地の俯瞰写真 -
枚方津田団地 -
「道」を軸にした住戸環境の完成予想 -
低層住宅の完成予想図
1992年建替事業の本格化
1992年以降、老朽化した賃貸住宅の建替事業が本格化しました。従来の建物では対応できない設備の老朽化や狭小な間取りを解消するため、鉄筋コンクリート造の高層住宅が採用されました。また、バリアフリー設計や防犯対策、快適な住環境の整備も進められ、最新設備が導入されました。これらの建替事業が礎となり、現在公社が提供している「OPHシリーズ」の賃貸住宅では、ディンプルキーや段差解消、床暖房などが標準仕様とされ、高齢者にも優しい住宅が提供されています。
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豊中団地の建替予想図 -
一部団地で採用された標準仕様 -
OPH新千里西町の外観 -
OPHシリーズの室内
1993年日本・カナダ共同プロジェクト
「メープルコート」
東大阪市吉田に建設された「メープルコート」は、日本とカナダの共同プロジェクトで、カナダのツーバイフォー工法を導入した公的機関初の木造三階建共同住宅です。耐火性と断熱性に優れた北米型の住宅を日本に取り入れることで、ファミリー層がゆったり暮らせる住環境を提供しました。このプロジェクトはカナダ政府の協力を得て進められ、技術セミナーや視察も実施されるなど、技術普及に大きく貢献しました。
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メープルコート -
システムキッチンを採用 -
第一回メープルコート推進会議で日本カナダ双方が連携 -
外国人技術者が来日して竣工
1995年インター・ビレッジ「輸入住宅」の街の誕生
官民一体の開発が進められた阪南スカイタウン(阪南市)内の「インター・ビレッジ」は、北米から輸入されたツーバイフォー工法による住宅が建ち並ぶ街です。広く開放的なリビング、オープンキッチン、ビルトインガレージなど、北米スタイルの生活を提案しました。景観形成にも配慮し、敷地の仕切りを設けないことで、コミュニティのつながりが生まれる設計が施されました。この輸入住宅のまちは、畳寸法に縛られない新しい暮らし方を実現するモデルケースとなりました。
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輸入住宅の完成図 -
輸入住宅の平面図
1995年萱島東密集市街地再生事業の開始
寝屋川市萱島地区の再開発プロジェクト「くすの木タウン萱島」は、木造住宅が密集する地域を防災に優れた都市型住宅地に再生する取り組みです。地区内では公園や緑道が整備され、水辺の景観が再生されるとともに、災害に強いまちづくりが進められました。公社は、コーポラティブ方式を取り入れた分譲住宅「ネイキッドスクエア」や、公社賃貸住宅「いらか」「萱島南町」を提供しました。
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萱島東事業の全体像 -
既存水路を改修し環境整備 -
ネイキッドスクエア(庭付き3階建住戸を連結) -
ネイキッドスクエアの室内